栽培カレンダー

四季のお手入れ

春の芽吹きから、花を楽しむ季節、冬の土替えまで。
一年の作業を見渡しながら、株の様子に合わせてお手入れしましょう。

主に関東地方を目安にしています。地域・天候・品種・置き場所によって時期は前後します。芽や葉、鉢土の状態を見ながら調整してください。

写真で見る、苔貼りの作業例

苔を貼る前と、貼った苔を固定した後の様子をご紹介します。

苔を貼る前のミニバラ盆栽。根元の土が見える状態
作業前|苔を貼る前鉢土と根元の様子が見える状態です。
苔を貼った後、苔が動かないよう爪楊枝や串で固定したミニバラ盆栽
作業後|苔を貼り、爪楊枝や串で固定貼った苔が動かないよう、爪楊枝や串を挿して固定しています。

一年の主な作業

月を選ぶと、詳しいお手入れへ移動します。

一年を通じた管理の基本

水やり 朝の水やりを基本に、鉢土の乾きを確認して、必要なときに鉢底から水が流れ出るまで十分に与えます。小さな鉢や浅い鉢は乾きやすく、夏は朝だけでは足りないこともあります。回数を固定せず、鉢ごとに確認しましょう。

植え替え 古い土を取り除き根を整理する「土替え」と、根鉢を崩さず大きな鉢へ移す「鉢増し」は、目的と方法が異なります。土替えは休眠期を基本とし、生育中の鉢増しは発根や株の状態を見て行います。

施肥 肥料の種類、鉢の大きさ、株の勢いに合わせ、製品の表示に従って与えます。植え替え時に入れた元肥がある場合は、その効き方も考慮します。弱った株や繁殖直後の苗に、健康な成株と同じ施肥を行わないようにしましょう。

病害虫 新芽、葉裏、株元をこまめに観察します。落ち葉や雑草を取り除き、風通しを保ちましょう。薬剤を使う場合は、製品ラベルで対象植物・病害虫、希釈倍数、使用方法、使用回数などを確認してください。

月別のお手入れ

作業の回数や日付よりも、目の前の株の状態を大切に。

01
冬のお手入れ

1月 / 休眠期の土替えと接ぎ木

  • 植え替え・仮剪定休眠している株は、土替えと根の整理を行う時期です。枯れ枝や不要な枝を整理し、春の本剪定に備えます。凍結する日を避け、株の状態に合わせて作業します。
  • 水やり・肥料鉢が乾くまでの時間が長くなる季節です。乾き具合を確認し、日中の暖かい時間帯に水を与えます。追肥を急がず、元肥の扱いは肥料の種類と植え替え方法に合わせます。
  • 接ぎ木冬の芽接ぎや切り接ぎを行う時期です。接いだ苗は寒さと乾燥に注意し、日照を確保して管理します。完成した盆栽とは管理を分けましょう。
  • 病害虫枝や株元のカイガラムシなどを確認し、見つけたものは取り除きます。
02
冬のお手入れ

2月 / 芽の膨らみを見て春剪定

  • 剪定2月中旬から3月上旬を目安に、芽が膨らみ始めたら春の本剪定を行います。正面と開花時の姿を考え、良い芽の上で切り戻します。
  • 枝の整理枯れ枝、古い枝、弱い枝、交差して混み合う枝を整理し、日当たりと風通しを良くします。
  • 水やり地上部の変化が少なくても、根が動き始めることがあります。冬と同じ回数に固定せず、鉢土と芽の状態を確認します。
  • 秋に接いだ苗芽接ぎの方式や実施時期によって、台木の上部を切る時期が異なります。講習時の手順に沿って管理しましょう。
03
春のお手入れ

3月 / 芽吹きと生育の始まり

  • 剪定・施肥芽の膨らみを見て本剪定を仕上げます。生育が始まった健康な株には、鉢の大きさと元肥の有無に合わせて芽出しの肥料を与えます。
  • 水やり葉が増えると水の必要量も増えます。気温の上昇と鉢の乾きに合わせて調整します。
  • 接ぎ木苗発根と生育を確認し、必要に応じて根鉢を崩さず育成鉢へ移します。屋外へ出す際は霜や強風に注意し、日光と風に少しずつ慣らします。
  • 台木づくり前年に採取・保管したノイバラの種を使い、実生の台木づくりに取り組めます。
  • 病害虫新芽のアブラムシ、うどんこ病などに注意します。
04
春のお手入れ

4月 / 枝葉を育て、春花に備える

  • 整枝枝葉が伸びてきたら、混み合う部分を必要に応じて間引き、株の形を整えます。
  • 水やり・肥料生育とともに鉢が乾きやすくなります。肥料は製品の表示と株の勢いに合わせて与えます。
  • 接ぎ木苗霜の心配がなくなったら、屋外の環境に慣らしながら、日当たりと風通しの良い場所で育てます。
  • 台芽・病害虫接ぎ口より下から出る台木の芽は、本来の品種の枝と区別して付け根から除きます。新芽や葉裏も観察しましょう。
05
春のお手入れ

5月 / 春の花を楽しむ

  • 開花中の管理花を楽しみながら鉢の乾きを確認し、水切れを防ぎます。種を採る株を除き、傷んだ花や咲き終わった花はこまめに取り除きます。
  • シュートの扱い勢いよく伸びる枝は、樹形を保つなら摘心し、枝の更新や株づくりに生かすなら誘引するなど、目的に合わせて扱います。
  • 花後への移行花が終わった鉢から、整枝や施肥などの花後管理へ移ります。開花中の株を一律に植え替える必要はありません。
  • 病害虫花が咲いている間も、新芽や葉裏の観察を続けます。
06
初夏のお手入れ

6月 / 花後の手入れと夏越しの準備

  • 花がら・整枝咲き終わった花を整理し、古い枝や弱い枝、交差した枝を取り除いて風通しを良くします。秋に向けて健康な枝葉を育てましょう。
  • 水やり・肥料暑い日は小鉢が早く乾きます。朝に加えて夕方にも確認し、必要なら水を与えます。健康な株には花後の肥料を与えます。
  • 花後の植え替え近年は、春花が終わった後にも、秋に向けて樹勢を保つための植え替えが勧められています。健康な株を対象に、花後から夏の初めにかけて、鉢の大きさや用土の状態を見て行います。枝葉を残して作業し、冬の土替えとは方法を分けます。土を落とす量や用土の選び方など、詳しい手順は講習会などで確認しましょう。
  • 繁殖充実した花後の枝を使う初夏の挿し木や芽接ぎの時期です。挿し木直後は明るい日陰で乾燥を防ぎ、施肥を急がず発根を待ちます。
  • 病害虫梅雨期は黒星病に注意し、病葉や落ち葉を整理します。ハダニが見られる場合は、葉裏を水で洗う方法もあります。
07
夏のお手入れ

7月 / 暑さと水切れから株を守る

  • 置き場所強い西日や鉢の温度上昇に注意します。環境に応じて遮光ネット、鉢カバー、鉢土表面の被覆などを取り入れます。
  • 水やり朝と夕方に鉢の状態を確認し、乾きに応じて水を与えます。小鉢では、受け皿や底面給水を利用する方法もありますが、苗の状態や用土に合わせて選びます。
  • 枝葉の管理秋の花や株づくりを重視する場合は、蕾を摘み、健康な葉を保つことを優先します。葉裏のハダニと、株元の雑草にも注意します。
  • 肥料・苗の管理高温時や弱った株への施肥は控えます。初夏に挿した苗は、引き続き乾燥を防いで育てます。
08
夏のお手入れ

8月 / 夏越しを続け、秋剪定を計画する

  • 水やり・暑さ対策水切れと鉢の温度上昇を防ぎ、できるだけ健康な葉を残します。落葉した株は原因を確認し、肥料を増やして回復を急がせないようにします。
  • 秋剪定の計画従来の目安は8月下旬から9月上旬ですが、酷暑、品種、日照、目標の開花日によって調整します。暑さが続く場合は、時期の見直しも検討します。
  • 剪定の準備枯れ枝や不要な枝を確認し、株の正面と秋の姿を考えます。剪定の前後は、特に水切れを防ぎましょう。
  • 記録品種ごとに剪定日と株の状態を記録しておきます。
09
秋のお手入れ

9月 / 秋剪定と芽接ぎ

  • 剪定気温と株の状態を見て秋剪定を行います。枯れ枝や混み合う枝を整理し、樹形を整えます。一斉に咲かせたい株は、枝ごとの作業時期もそろえます。
  • 品種・株による違い一季咲きのつる性品種や、育成中の新苗は、四季咲きの完成株と同じように剪定しないようにします。
  • 水やり・肥料剪定後も水切れに注意します。施肥は元肥の有無と樹勢、生育の回復に合わせて判断します。
  • 繁殖秋の挿し木や芽接ぎに取り組める時期です。T字法の芽接ぎは9月下旬から10月上旬が目安ですが、方法と生育状態に合わせます。
  • 病害虫新しく出た芽や葉を観察し、うどんこ病、黒星病、ハダニなどに注意します。
10
秋のお手入れ

10月 / 秋の花を楽しみ、冬の準備へ

  • 開花中の管理秋花を楽しみながら、鉢の乾きと病害虫を確認します。朝の水やりを基本に、必要な水分を補います。
  • 花後の管理咲き終わった花や枯れ枝を整理します。冬の土替えまでは、健康な葉を生かして株の充実を図りましょう。
  • 繁殖・準備秋の挿し木や芽接ぎ苗の管理を続けます。冬に使う鉢や用土も準備します。
  • 記録開花日を記録し、剪定日、品種、日照、天候と照らし合わせて翌年の参考にします。
11
晩秋のお手入れ

11月 / 花後の手入れと土替えの準備

  • 花後の管理花首や枯れ枝を整理し、健康な葉をできるだけ残します。病害虫の観察も続けましょう。
  • 水やり気温が下がるにつれて鉢は乾きにくくなります。朝から日中の暖かい時間帯を基本に、乾きを確認して水を与えます。
  • 植え替え11月中旬以降は土替えの準備を進め、休眠の様子と地域の寒さを見て作業時期を決めます。まだ生育している株を、日付だけで一律に土替えしないようにします。
  • 実生の準備実生に挑戦する場合は熟した実を採取します。ノイバラの台木づくりとミニバラの品種づくりでは、種の準備や育て方を分けて確認しましょう。
12
冬のお手入れ

12月 / 土替え・仮剪定と冬支度

  • 土替え休眠した株は、凍結しない日を選び、古い土と根を整理します。傷んだ根や鉢底に巻いた根を確認し、株の状態に合わせて処理します。
  • 仮剪定土替えに合わせて不要な枝を整理します。春の本剪定とは分け、翌春の姿を考えて枝を残します。
  • 点検根の異常、鉢内の幼虫、株元のカイガラムシなどを確認します。異常がある株は、講師などに相談して扱いを決めましょう。
  • 水やり・肥料休眠期も乾燥しすぎないよう鉢を確認します。追肥は控え、元肥は使用する肥料と土替え方法に合わせて判断します。
  • 翌年への準備接ぎ木に使う台木や穂木、名札、道具を準備します。
お手入れの用語
  • 仮剪定冬の土替えなどに合わせて枝を整理する剪定です。春の本剪定とは区別します。
  • シュート株元などから勢いよく伸びる枝です。樹形の調整や古い枝の更新に生かします。
  • 台芽接ぎ木の台木から出る芽です。接いだ品種の枝とは区別して扱います。
  • 摘心(ピンチ)枝先を摘み、伸び方や枝分かれを調整する作業です。
  • 誘引枝を曲げたり留めたりして、伸びる方向を整える作業です。
  • シリンジ葉裏などに水をかける作業です。鉢土への水やりとは別に行います。
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